2001.8.20号 07:00配信


大草原からのぷちメッセージ

トラック落としちゃった〜

(by いくちん)


今でこそ、笑い話になりましたが、あの時の衝撃は決して忘れる事は出来ません。何年前になるのかー。農繁期、夏の暑い日でした。牧草の収穫を終え、畑にこぼれた牧草をダンプに積み込み、牧場まで運ぶ作業をしていた時の事です。

後一台運んだら、昼にしよう!と気合いを入れて畑に向かう。・・・がしかし、気合いを入れ過ぎ〜弾み過ぎたトラック。道路沿いの溝に落ちた!しかも見るからに、最も深い所にー。左半分、タイヤ2個、横転しなかったのが、幸い。なんとか脱出しなくては!っと試みてみるのですが、運転席のドアは、ほとんど上を向いた状態で、開けようにも重くて開けられない。やむを得ず助手席側のドアを開けた。さっきとは大違い、ノブに手をかけただけで、外に引き出された。しかも、ドアは数センチで地面に当たるほど傾いていた。外に出て、第三者のように、トラックを見上げ、改めて身震いがした。

しばらくその場に立ち尽くしていたが、少しづつ現実に戻り始めた。一番最初に脳裏をかすめたのは、「怒られる〜」と言う事。(それほど、家のとうちゃんは恐ろしい・・・?)その後、やっと意識がしっかりし、「引き上げなくては!」と考えた。その間は、ほんの数分だろう。父ちゃんは、仕事で留守。隣の農家に走り、おじさんに事情を話すと、快くショベルに乗って引き上げに来てくれた。かなり深い溝なので、片方を引っ張っても反対側が落ちる。もう一台トラクターを動かし、両側から少しづつ交互に引っ張る事にした。落ちたり、上がったり、やっと両輪が路に上がった時には、太陽が真上にきていた。

丁重にお礼を言い、おじさんが帰った後も、しばらくそのトラックに乗り込む事が出来なかった。塗装の剥げてる所はないか、へこんでる箇所はないかと、ぐるりとトラックを見回した。(この時点で、まだ隠そうとしていた)特に傷付いたようには見えない。黙っていたら気付かないかも・・・。夕方、帰宅した父ちゃんの顔、なんとなく見上げるのが怖い。何やら話かけて来たとうちゃん。聞くと、事情はすでに隣のおじさんが報告していたらしい。教訓!弾みすぎた心にブレーキをー。




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