2001.9.3号 07:00配信


大草原からのぷちメッセージ

牛舎の中のお友達

(by いくちん)


静かに寝ていた牛達が、急に騒がしくなる事があります。バタバタと立ち上がったり、激しく泣き出したり。そういう時は、決まって牛舎に訪問者が居ます。牛の習性については、前にもお話した事があると思いますが、彼女達は『普段と違う』事には敏感。知らないヒトや、初めての餌などに慣れるまでには少し時間がかかります。今までなかったもの、珍しいものに対して、非常に興味を持ちソワソワ・バタバタと落ち着きがなくなるのです。

突然、隣の飼い犬が当牧場の牛舎の中に遊びに来る事があります。我が家には犬がいませんので、当然、犬という生き物の潜在意識がありません。犬が近くに寄ると、首を繋がれたまま、前に出たり後ろに下がったり、ブルブルと振るえて恐れたり、耳がピンと立ち威嚇したりと、いずれにしても『普段と違う』という事を察知している様子でうろたえます。

逆に、普段通りの事には全く鈍感で、牛舎の片隅に住み着いている猫の親子には、なんの反応も見せないのです。酪農地域には、野良猫達が沢山います。当牧場にも、365日入れ代わり立ち代わり、いつでも猫が間借しています。どこの牧場でも、仔牛用の牛乳を処理室に残して置くので、おなかをすかす事はありません。牛床用の麦ワラもありますので、寒さもしのげる。餓えや寒さから、身を守るという面からみても、猫にとって“ここ”は楽園なのかもしれません。こちらとしては、特別迷惑な事をされない限り、この小さなお客様は歓迎しています。

当牧場の牛達は、『普段と違う』犬やカラスには激しく反応するが、いつもの猫や山鳩には無関心。このような事から見ても、彼女達が平穏・平和を求めているのが良く分かります。イメージ通り、静かに草を食んでいる彼女達の生活を守ってあげる事が、私達の役割なんだなっと思います。この光景がずっと続く事がヒトを幸福に導く手がかりになるようで、改めて自分の職業に魅力を感じています。

話しがそれました。次回は、小さな居候の思いもよらないアクシデントをお話します。大きな牛と小さな猫の友情物語(?)です。


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