2001.12.24号 07:00配信


大草原からのぷちメッセージ

Job Style

(by いくちん)


“仕事”とひとことで言っても様々あるわけで、それが会社員であったり公務員であったり、または専業主婦もひとつの仕事でしょう。我が家のように自営業の方も多いだろうと思いますが、その中身は更に枝分かれし、一次産業の中の農業という事なります。社会はそれぞれの役割を持って働く人が、その任務を果たす事によって成り立つわけですよね。そして、その多くの人が自分の仕事を全うするのでしょう。

私が学生を終えて社会に出たのは10年前でした。採用試験には合格したものの赴任校がどこになるのかドキドキしていた日々を覚えています。教員という職業は、21世紀を担うであろう子ども達を世に送り出す手助けをするのですから、その責任感と使命感の重さに絶えかねる事も多々ありました。小学生を相手に本気で腕相撲をして負けた事や、クラスで飼っていたカメが命を落とした時には39人全員で涙を流した事を思い出します。当時まだ幼な顔の私は、教壇に立っても様にならず、子ども達の真中に教卓を位置していたため、子ども達に教えられてたようにも見られました。母になった今、もう一度教壇に立ったならどんな先生に写るのかな?っと思う事があります。どんな職業でも同じだろうと思いますが、自分が好きでやりがいを持てる仕事が適職といえるでしょう。私にとって教員という職業は生涯を全うするものと思っていました。

それが結婚という二文字と共に浮かび上がってきた酪農という職業。過酷な仕事と分かっていても、生命を預かるという事が心に最大の喜びを導いてくれるようで魅力を感じました。この数年間の牧場経営で、「自然との共存は人間の原点である」という事を知りました。四方八方・春夏秋冬あちこちにアンテナを張り巡らし、全ての息吹と透明な風を心に吸い込んできました。黙っていても汗の流れる真夏の歪んだ牧草畑で、トラクターの後をついて走り回ったり、腰まで埋まる積雪の放牧地で、牛を追いまわしたり。忙しさの中にも新鮮なオホーツクの空気はとても味わい深いものでした。

過去に経験してきた職業、いずれにしても、私にとって適職であったような気がします。「好奇心旺盛」これは幼少の頃から、私に対して母が頭悩ましてきた言葉です。色んな経験をして、そこから自分にとってプラスになる栄養を取り込んでいきたい。マイナスをプラスに変える手段も得たい。時には難破船の上にいたり、山頂から降りれずにいたりする事もあるでしょう。私が思うに、働くと言う事はかけがえのない喜びを得るための過程ではないのかな?“仕事”自分の居場所と喜びを獲得するためのスタイルをじっくり考えたいと思っています。



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