2002.2.4号 07:00配信
離農してから一週間が過ぎ、新しい生活にもどうにか慣れて来ました。農村地域から市街地へと移り住み、窓を開けるとオバサン達の井戸端会議の声や、隣人の生活音が聞こえそうな環境。今までに経験した事のない出来事が沢山。戸惑いながら、少しづつですが、我が家のペースを掴み始めました。 今までなら燃えるゴミは牧場内の土管の中で焼き、燃えないゴミはダンプで埋め立て施設へ運んでいたのですが、これからはそういうわけにはいきません。毎週水・土のゴミ収集日に指定された場所に持っていかなくてはならないのですよね。前日からゴミ出しをしたらカラスが来るからダメだと言う人もいれば、収集車がゴミを回収した後に平気で出す人もいます。駐車場の雪かきをしたら、そこら辺に放ったり、歩道に積み上げたりしてはいけない。車や通行人の邪魔にならない空地に積み上げなくてはならないのです。「雪かきスコップを貸して欲しいのですがー」とお願いしたら「自分で買え」と言う人もいれば、「はかどらないからー」とママさんダンプを貸してくれる親切な人もいます。 市街に住むためには、強制的に入らなくてはならない『町内会』ですが、例外なく我が家も入会する事になりました。以前の農村地域でも自治会はありましたが、9割の家庭が農家だったため同じ職業の者同士、気心が知れてやりやすかった部分があります。市街地の町内会では、商店や自営業者・公務員やら団体職員など様々な職業の人がいます。早朝から出かける人や、夕方から朝にかけて勤務する人など、仕事の内容や勤務時間の違いがあります。年齢層も様々で、老夫婦だけの家庭や、我が家のように小さい子どもがいる家庭。“隣の塀が良く見えるタイプ”の人もいれば、“ゴーイング・マイウェイ”の人もいます。沢山あって、みんな良いのだと思います。沢山の窓からの沢山の灯が、その家族を照らしているのですから、皆がそれぞれ我が家の灯が一番と思っているのでしょうね。 沢山の灯が集まったこの町内も独自の色を持っていて、地域の特色や良し悪しがあるのでしょう。よそ者を快く受け入れてくれるのか否か、いずれにせよ最低限のモラルを持って行動しなくてはならないのだと思っています。我が家もこの小さな窓から灯を照らしながら、それでも、決して自分だけの色を消さないように、地域に馴染んでいけたらと思います。 |