2002.3.25号 06:00配信


大草原からのぷちメッセージ

白くて大きいラブ

(by いくちん)


最近、春の日差しに誘われ娘達とブラリ散歩に出かける事がよくあります。市街地へ越して来てから、辺りが全て珍しくあちこち赴いております。時には足を伸ばし数キロ離れた公園まででかける事もあります。

お日様は出ているのに風の強いある日、それでも退屈しのぎに娘達を連れ出しブラリ散歩に出かけました。この日は、家から大通りに出て、町内を一周して帰るコースでした。大通りに差し掛かった頃、ポツポツと小雪が舞ってきましたので小走りで先を急ぎました。すると、友達の家を行き来し小道を知っている長女が、「秘密の近道を教えてあげようか?」っと言うのでほいほいとついて行きました。

いくつかの民家の庭やら軒下やらを通り、日陰に残る雪の山に足跡をおとし、本当に近道か?っと思いながら・・やっと目線の先に通りが見えて来ました。道すがら娘が「ラブはいるかなぁ〜」などと言っておりましたが、名前からして、ちっちゃな犬か猫の事だろうっと思った私は特別気にもしませんでした。あぁ、もう少しだと気を抜いたその時、静まり返った午後の閑静な住宅街に響き渡る声。私達を威嚇して吠える“ラブ”の泣き声でした。声のした方を見ると、ちっちゃな・・っという私の予想とははるかにかけ離れ、小学生の体ほどもある大きな大きな“ラブ”でした。思わず駆け出した私をクスクスと笑う娘、「知ってると思ってた〜」ですって。

例え距離的には近道かもしれないけれど、人様の敷地を歩き、家の中が覗けるほどの所を通り、住人と目が合った時の気まずさを感じてしまいました。足首まで埋まる雪の上を大股で歩き、靴に雪が入ったとはらいながら、時間的には倍かかるのではとも思いました。幼少の頃は、私も平気で道なき道を探しながら歩いた事や、大きな犬に吠えられた事を思い出しました。大人になると忘れてしまう子どもだけの楽しみを味わい、たまに子どもの仲間入りも良いなぁっと感じました。



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