2002.4.8号 06:00配信


大草原からのぷちメッセージ

病床に伏す児

(by いくちん)


毎年この時期になると、小児喘息を患っている娘達はゴホゴホ・ゼイゼイと始まります。例外なく今年も、咳が出始め発作注意報が・・・季節の変わり目、気温の安定しないこの時期「注意しなきゃ」っと思っていた矢先の事でした。

同じ病気を持つ子のお母さん達から、年齢が大きくなるにつれ、体力がついて発作も起こらなくなると言われていました。就学を控えた次女は、最近では少々の発作では寝込まなくなっていました。その日も少し咳はしていたものの気候も穏やかでしたし、何より、大好きな男の子に誘われた事もあり、外遊びを許可したのです。しかし帰宅後、だるそうにゴロゴロしていました。

寝入ってからの咳込み。いつもの発作のようにゼイゼイもしていないのにコンコンと渇いた咳を連発しているので、何か違うと思いました。何よりも自分の体は自分で分かっているはずの本人が「病院に連れて行って!」と頼むのです。様子がおかしいと思った私は深夜、峠を越え、かかりつけの医師の診察を受けました。“仮性クループ”と診断され、「危険な状態なので、帰るなら保証できない」と、脅しのような医師の強い口調に、成す術もなく6歳の娘を病床に置き帰宅した母でした。

今まで、喘息発作のため十数回入退院を繰り返していますが、一人で置いてくるのは始めての事でした。普段の強気な態度とは裏腹に、病床にてウォンウォンと泣き叫ぶ我が娘を突き放し、病室を後にした時の切なさを忘れません。今回の事ばかりではなく、子どもとは、わずかの気のゆるみで一大事になりかねない。「強くなって欲しい」と願うと同時に、母としての責任の重さを感じ、十分気を付けなくては思いまいました。



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