4日目、今日はいよいよ「王様のレストランメニュー再現フルコース」に突入。だが、料理人のコンデイションは最悪。日本酒から始まって、ウイスキー・紹興酒・アクアビット・焼酎・ウォッカ等々世界の酒巡りどちゃんぽん大会に参加したためだった。もはや若くない体内でスコットランド・ロシア・日本・スウェーデン・中国の酒精達が妖怪大戦争の様に踊り狂っていた。もしあるものなら「日本禁酒協会」の会長に立候補したい気分でテーブルの上に顔をどてっと乗せてへたばっている時に本日のセコンドシェフ「盆」が太陽のコロナの様に逆立っている残り少ない毛をなびかせて話しかけてきた。
「今日のフルコース何からとりかかるんですか?」
「うるせー日本人なら米の飯だ!!西洋料理なんて食うな!」と心の中で絶叫しつつ「・・・パイ生地から・・・・もうちょっと休んで、風呂入って、なんか水分入れて、又休んで、それから・・・・」「だめだこりゃっ」といかりや長介のせりふを高木ブーの様な背中ににじませつつ、部屋から退出していった。2時間程でやっと芋虫並には動ける様になってきたので活動を開始した。まずはパイ生地から・・・。
ここは一歩廊下に出るとすぐ冷蔵庫になっているのでパイ生地やクロワッサンを作るときはとても便利だった。バターを折り込んでは、冷蔵庫に入れる忙しい手間が大幅に省かれる。生地を持って部屋から出たり入ったりしている内に、あれ程暴れ狂っていたアセトアルデヒド軍団も再会を約束しつつ引き上げてくれた。どたばたどたばたしつつ、なんとか準備も進みやっと開会にこぎつけた。
デイレクトール&ソムリエ・・・平沢隊員
ギャルソン・・・・・・・・・川村兄ちゃん
シェフ・・・・・・・私
セコンド&パテイシェ・・・・西平 盆
他の隊員はゲストで晴海以来のネクタイを締め、ちょっときどった雰囲気で・・。「今日はマナーにこだわらず気軽なスタンスで食べてください」とシェフの一言の裏は「私もテーブルマナー知らないのだよ」です。そしてその日テーブルに並んだ料理は
Amus ムール貝のカクテルチリソース
前菜 ガランテイーヌフォワグラのムース詰め
スープ すっぽんとトリュフのコンソメ
サラダ フレッシュフォワグラと
ドーム製レタスのサラダ ソース・ド・アンチョビー
魚 ラングステイーヌと帆立貝のパイ皮包み
ソース・ド・アメリケーヌ
ソルベ ブルキュラソーのシャーベット ダークベリー添え
肉 鴨肉のロースト オレンジソース
デザート そば粉のクレープ冷凍いちご包み
ソース・ド・アングレーズ
デイレクトールの平沢隊員が、料理の合間にがつがつとつまみ食いするのを除けば上品な雰囲気の御食事会だった。
フルコースの夕べ
フルコースの夕べ
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
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