「子連れはメイワクだ。」そんな声を時々聞く。何でだろう。私たちは子育てと言う、人間にとって大事な仕事を一生懸命やっているだけなのに。誰にもメイワクを掛けずに育った人なんていないだろうに…。娘がまだ小さくて外出もままならなかった頃、私はそんな事ばかり思っていた。
娘が生後5ヶ月の時、実家のある大阪へ帰省することになった。初めての子連れ旅行、もう私はドキドキだった。片道8時間の長旅だ。娘は大人しくしてくれるだろうか。騒いだりして、周りの人に白い目で見られるんじゃないか。「だから子連れはメイワクなんだ!」って…。
ところがどうだ。長い道中、あちこちで温かい手が差し出される。ニコニコしながら娘に話しかけてきた、いかにもビジネスマン風のおじさん。「うちにもこれくらいの孫がいてねえ。」と、空港出口まで私の荷物を持ってくれたおばさん。飛行機内でのサービスも万全! 用意された簡易ベビーベッドで娘はスヤスヤ眠り、私はのんびり空の旅を楽しむことが出来た。なあんだ、子連れだからって萎縮することはないじゃないか!
あれからもう2年。子連れお出かけもすっかりお手のもの。ただここへ来てようやく気付いたことがある。相変わらず周囲は小さい娘に温かく接してくれる。私たち親もついついそれに甘えてしまう。「これくらいは許してもらえるさ。」「子供のしたことだから、まあいいよね。」…これが危ない! 気が付けばとんでもないメイワク親子になっていることだってあるのだ。
子連れだからって、隅でコソコソする必要はない。ただ子供の行動に対して親はちゃんと責任を取るべきだ。どんな場所でも、どんなに疲れていても、我が子から目を離してはいけないと思う。悪いことをしたらちゃんと叱って、相手がいればきちんと謝らないと…。確かに実践するのは意外と難しい。でも一人でもそういう親が増えたら、反比例で減っていくものが必ずある。それはそう、「子連れはメイワク」という声。可愛い我が子のためにも、まずは私たち親が頑張らなくちゃ!
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