2000.7.29号 10:00配信
またつまらないことで怒ってしまった…。お風呂の準備をして、いざ入ろうとしたら、娘が「おしっこがでる!」とおまるに座り込んだ。そのままいつまでたっても動こうとしない。肝心なものはとっくに出てしまっているのに「まだでる。」「おふろのなかででちゃうのいや。」 大丈夫だから、となだめてみても効果なし。実はこの頃お風呂の度に、この「おしっこ騒動」が起こるのだ。まだ出ると言ってそうなった試しがない。今日はなんと一時間近くもおまるに座り続けた。せっかちな私だから、ついイライラしてくる。いくら言っても聞かない娘に、とうとう声を荒げてしまった。「もう付き合ってられない、好きにしな!」…娘がわっと泣き出す。 子育てってなんでこう思い通りに行かないんだろう。もっとのんびりと、余裕を持って娘に接してやりたい。なのにいつもせかせか、つまらないことでイライラして娘を泣かせてしまう。娘は顔を涙でグショグショにして、それでも私にしがみついてくる…(私は一体何をやっているんだ。)未熟者の母はただひたすら自己嫌悪に陥ってしまうだけ。 時折、子育てに関する本や新聞記事、ホームページ等を覗いてみる。すると同じような悩みを抱えた母親たちの、悲鳴に近い声があちこちに溢れているのがわかる。「子供をイライラのはけ口にしている自分を何とかしたい。」「私は母親失格だ。我が子を心底愛していないのかな。」…何だか共感する事ばかり。悩んでいるのは私だけじゃないんだ、とほっとする。でももちろん、それで問題が解決するはずもない。 今日の一件で、娘は泣きながらこう言った。「おかあさん、おかあさん、おこらないで!」 その言葉にハッとした。情けないけど涙が出てきた。「ごめん、ごめんね。」 娘のからだを抱きしめた。愛情を確かめるみたいに、強くぎゅうっと抱きしめた。きっとこの先、何度となく私は娘を泣かせてしまうだろう。その度に、こんな何気ない言葉で目を覚まされるのかもしれない。 「育児は育自」だ。少しでも私の怒り顔が減って、笑顔が増えるように頑張ろう。まだまだいっぱい悩んで、私自身が成長しなきゃ。「あの頃って、何であんなにイライラしてたんだろうねえ。」 …そんな風に笑って懐かしむ日が来るはず。いつか、きっと。 |