2000.12.1号 07:00配信
お久しぶりです。白熊コラム再開いたします。 10月に入り、寒さも日々刻々と厳しさを増してきております。そこで今回から数回にわたって温泉を取り上げようと思います。 ・1 総論 ・2 一般的入浴法 ・3 温泉の歴史 ・4 温泉の効能 ・5 適応症と禁忌 ・6 適応症各論 ・7 温泉地と泉質(北海道の一部)を予定してます。 尚、あらかじめお断わりいたしておきますが1〜6に関しましては一般論(各温泉ごとに古くから言い伝えられている適応・効能については調べておりません)7に関しましては各温泉に問い合わせておりませんので、参考文献および私ならびに知人が実際に入浴した温泉地(宿泊した宿特有の事が有るかも知れません)の情報です。間違いがございましたら、メール等にてお教えください。また他の温泉についての情報がございましたらお教えください。 ・ 総論 はじめに『温泉』て何でしょう。温泉の定義をご存じですか。 実はわが国には昭和23年に公布された「温泉法」があります。 ★「温泉とは地中より湧き出す温水、鉱水および水蒸気その他のガスで、温泉源での温度が25℃以上のもの、または含まれる物質として19種のうち一つ以上が、定められた基準値を上回っているもの」即ち、温泉源の水温が25℃あれば特別な成分に関係なくてもよく(汲み上げたり、入浴施設へひいたりしたら人工的に暖めなければ、適温入浴は出来ない水温でも良い)、指定成分があれば冷たくても良くて、そのために沸かし湯の温泉があったり冷泉という冷たい温泉もあるのです。さらに液体でなくても水蒸気や炭酸ガス・硫化水素ガスでもいいのです。表記できる効能に関しては法律で何も規制しておりません。泉質として言われているもの、古くからその温泉に言い伝えられているものを掲示出来ます。 現在日本には『温泉気候物理医学会』という温泉医学の専門学会があり、いろいろな温泉利用の治療に関する研究が日本全国でなされております。私も会員の一人で「認定温泉療法医」の資格をいただいております。ただし残念ながら、ここで温泉療法に関して詳しく申し上げましても、わが国における温泉治療としては『湯治』に代表されるように一定期間の治療期間が必要で、温泉に行くといえば、一泊二日ないし二泊三日が主体で治療というより遊興に重きをおいているか、リラックスするため(逆に疲れることが多い)が現状でしょう。わが身を振り返っても自分達の温泉旅行は旅行であって、治療を目的にしてないので一泊二日が多く、遊興施設の充実度で温泉地を決定することがほとんどです{学会を含め温泉医学を行 っている諸先輩の先生方申しわけありません}。でも実際わが国における温泉地はごく一部にその効能効果を高める設備や環境整備に目を向け国民保養温泉地・国民保健温泉地・クワハウス{詳しくは後述するが、リゾート環境医学でいう欧州型の療養温泉地としては全部そろっていない、クワハウスも日本型で、名前は同じでも欧州のものとはかなり違う}はあるけど、ひたすらにより歓楽地としての遊興設備を整えているのが大部分だと思います。(少し言い過ぎかな?)すなわち、厳密にいえばごく一部が療養温泉で、真の療養温泉地はいまだわが国には存在していない、単に温泉地というと温泉がある歓楽地を指している現状では、私が温泉医学を力説するよりここでは少し温泉医学にふれながら(温泉入浴による事故防止も含めて)、難しい話は少なめにし、一泊二日ないし二泊三日が少しでも有意義に『温泉』に来たのだ、身体に良かったと思っていただけるようになればいいなあと思います。 |
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※※それぞれの北海道分は後述予定してます。 次回は一般的な入浴法についてです。次回をお楽しみに! |
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