2002.8.16号 06:00配信
今回はお酒と身体に関しての2回目です。 3 悪酔いの犯人アセトアルデヒド アルコールから分解されたアセトアルデヒドは、とっても身体にとって有害な物質で、顔や身体が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、眠くなったり、頭痛がしたり、痒くなったり、吐き気がしたり、嫌な汗が出たりするのは、身体のなかでこのアセトアルデヒドの処理が間に合わず溜まった証拠です。飲みすぎの悪酔いや、一晩たっても処理できないくらいの多酒を飲んでの二日酔いの原因です。 4 酒に強い弱いは遺伝で決まる。 いくら飲んでも酔わない、いつもと変わらないお酒の強い人がいれば、ほんの一口でも気分が悪くなるお酒の弱い人というより、全くダメな人が世の中にはいます。多酒のみの人のなかには単に鍛え方が足りないだけと思慮分別の無い意見を言う人がいますが、実は私たち黄色人種特有の遺伝が関与しているのです。それはあの有害物質であるアセトアルデヒドを分解するアルデヒド分解酵素のうち低濃度のアセトアルデヒドに反応する2型アルデヒド分解酵素が、欠如していたり、活性が弱い不活性型(アセトアルデヒドを処理するのに少しずつしかできず時間がかかる)のために少しのアルコールでもすぐに顔が赤くなったり、悪酔いしたりします。日本人の約4%の人が欠如タイプでお酒は全く飲めません。約40%が不活性型でお酒の弱いタイプでほどほどには飲めるがけっして強くない人たちです。(弱いくせにお酒が好きなのか、そういう場所が好きな人を時々見かけます。特に気をつけてください)。実は白色人種や黒色人種には欠如型だけでなく、不活性型もいなく100%活性型であるのに比べ、アジア人や南米のインディオやアメリカインディアン等の有色人種には数%〜数10%に不活性型がいます。 お酒がダメとか弱いといってる人には決して無理強いはしないでください。急性アルコール中毒を起こすこともあります。 5 酔いは血中アルコール濃度で決まる。 本当は脳内のアルコール濃度によって、脳の麻痺の程度すなわち酔い型が決まります。しかし直接脳内濃度を測定できませんので、血中濃度をもって酔い程度の判定を行います。血中濃度が0.02〜0.04%を爽快期(気分がよくなる、少し判断力が落ちる)〜0.10%がほろ酔い初期(脈が速くなり、理性が若干落ちる)〜0.15%がほろ酔い極期(立つとふらつく、大声になる)〜0.30%が酩酊期(千鳥足、呼吸が荒い、同じことを言う、嘔吐する)、〜0.40%泥酔期(立てない、意識がはっきりしない、言語が不明瞭)、0.40%〜昏睡期(揺り動かしても起きない、呼吸が深くゆっくりとなる、失禁、最悪心停止)ほろ酔い初期に切り上げることが望ましいですね。 直接血中濃度を測定できますが、飲酒量から大まかですが算出できる計算式があります。
例えば体重60kgの人がアルコール濃度15%の日本酒を2合(360ml)を3〜40分で飲んだ場合。
ほろ酔い初期を通過して極期に入り始めています。実際には同時進行で体内処理を始めていますので、このあたりが飲酒の切り上げ時期のほろ酔い初期の時期の限界と言えます。 次回は危険な飲み方他を予定しています。 |
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