1999.12.14号 10:30配信


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保健衛生

課題 高脂血症予防と食事や運動の関連について



以下に、1)高脂血症とはいかなる症状か、2)コレステロールとはいかなるものか、3)高脂血症は身体にいかなる結果を招来するのか、4)その予防や症状改善のために、食事や運動がいかにかかわっているのか、というような順序で論をすすめ課題に答えることにする。

 1)高脂血症とは

 コレステロールや中性脂肪など、血液中の脂質が異常に増えた状態を「高脂血症」という。軽いうちは特に自覚症状はないが放っておくと動脈硬化がすすむ。
 高脂血症には、総コレステロール値が高くなる場合、中性脂肪が高くなる場合、HDLコレステロール値が低下する場合、そしてそれらが複数重なりあうばあいなど、いくつかのタイプがある。従ってコレステロール値が高いと診断された場合には、総コレストロール値や中性脂肪の値はわかるのでそれを基に、LDLコレステロールの値も算出して基準値と比べてみることが大切である。

 2)コレステロールとは
 
 では高脂血症の原因物質のコレステロールとはいかなるものであろうか。当然脂肪の一種であり、通常は悪印象をもたれているが、実際には重要な役割があって、体に必要不可欠な物質である。どういう点でそうなのか以下に述べる。
 
 その1)細胞膜をつくる
 これが一番重要な役割であるが、細胞を家にたとえるなら柱に当たる部分をつくるのである。よってしっかりした細胞膜を作るにはコレステロールはなくてはならないものなのである。
 その2)ホルモンの材料になる
 副腎皮質ホルモンや性ホルモンの材料になる。ホルモンは心身の活力や男らしさ女らしさ生殖に関する様々な働きのもとになる。
 その3)胆汁酸の材料になる
 胆汁酸の材料となるが、その胆汁酸は肝臓から小腸へ分泌され食事の中に含まれる脂肪分の消化吸収を助ける役目を果たす。
 従って低すぎるとこれらの役目が果たされなくなり、また高すぎると動脈硬化の原因となるといったなかなか一筋縄ではいかない物質である。
 LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれるが、多すぎると動脈硬化の原因となるからであり、HDLコレステロールは組織内にある過剰なコレステロールを肝臓に送り返す働きがあるので「善玉」と呼ばれている。
 
 3)高脂血症は身体にいかなる症状をもたらすのか
 
 動脈硬化の原因は高血圧など他にもあるが、LDLや中性脂肪もその大きな要因である。LDLが多すぎる、あるいはHDLが少ないとLDLは血管の壁に沈着し血栓となり血管を詰まらせ、動脈硬化をすすめていく。そして動脈硬化は狭心症、心筋梗塞などの虚血性の心臓病にいたる。また脳血栓などの脳障害、足の血管に動脈硬化がおこりそれが悪化し組織が壊死してしまうという脱そになる場合もある。

 4)食事や運動は高脂血症とどういう関係にあるのか
 
 先ず食事。血中コレステロール値は食事の量や内容に影響されるので、食事の改善が重要である。 鶏レバー、卵黄、バター、タラコ、スジコ、ほか肉類などコレステロールを多く含む食品の総量を減らし、魚や野菜などをバランス良く摂取する事が大切である。なぜなら鯖や鰯などの青背の魚の脂肪に多く含まれるエイコサペンタン酸やドコサヘキサエン酸にはコレステロール値を下げる働きと共に、血栓をできにくくする作用があり、またキャベツ、ほうれん草、昆布、ヒジキ、リンゴなどは食物繊維が豊富で腸でコレステロールが吸収されるのを防ぐ働きがあるからである。
 規則正しく食事すること、その内容に気配りすることは、肥満の防止にもなり、動脈硬化をふせぐことになるのである。
 
 次に高脂血症とスポーツの関係をとりあげる。
 規則正しい運動を続けると、善玉とよばれ、血管から余分なコレステロールを肝臓に戻すHDLが増過し中性脂肪や悪玉LDLが減少する。しかし運動も健康に対して両刃の剣である。狭心症や心筋梗塞の発生を押さえる働きもあれば逆に急激な運動によって心筋梗塞や脳卒中で倒れることもあるから注意がひつようである。
 LDLコレステロールや中性脂肪を減らし、HDL脂肪を増やすのに最も効果的な運動はジョギングや早足であるくことといった軽度の運動である。むきになって走ったり競争をしてはいけない。目安としては、1日平均3キロくらいを3、40分かけて歩くようにするのが良いとされている。ブラブラ歩くようなことも効果はないので、強弱を工夫して自分に合った効果的な運動をすることが望ましい。
 
 私も年齢的に要注意に入っているので、ここで学んだことを生かしてこれからの学究の道を健やかに歩みたいと念願している。了




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